今度こそ「リオ決定だべ」になるか (c)朝日新聞社
今度こそ「リオ決定だべ」になるか (c)朝日新聞社

 1月31日、大阪国際女子で2時間22分17秒で走り「リオ決定だべ」と叫んだ福士加代子選手。ところが内定はすぐに出ず、3月13日の名古屋ウィメンズへの出場を表明、日本陸連が回避を促して、結局は欠場となった。このドタバタ劇はなんだったのか。

「現場が困惑する選考方法が浮き彫りになりましたね」とスポーツジャーナリストの増田明美さんは嘆く。騒ぎのもとは、五輪選考ルールで、福士選手にわずかな落選リスクがあるのだ。

 出場枠は3。現行のルールは、世界選手権での内定者(今回は伊藤舞選手)と、国内マラソン3大会(さいたま国際、大阪、名古屋)で日本人3位以内の9人のうち陸連の決めた設定記録(2時間22分30秒)を切る選手から優先的に選ぶ。

「これにのっとると、大阪で福士さんが世界記録を出して優勝したとしても(全レース終了まで)内定は出ない。監督も選手も待ちきれないし、不安になる」

 五輪選考にモヤモヤはつきもの。2000年のシドニー五輪代表選考会では、競泳の千葉すず選手が好成績を出したにもかかわらず出場できず、後にスポーツ仲裁裁判所へ提訴した。

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