ハイセンスなキャットストリートの下には今も渋谷川が流れる
ハイセンスなキャットストリートの下には今も渋谷川が流れる

 キデイランドの裏手あたり。しゃれたショップとともに、昔ながらの青果店や薬局などが並ぶ。生活感ある原宿、それが「穏田商店街」だ。

「生活に必要なものがそろう、原宿唯一のエリアだと思います」

 穏田商店街で3代続く小池精米店の小池理雄さん(44)が言う。商店街を抜けたところにある、渋谷と原宿を結ぶ通りが「キャットストリート」。今はおしゃれなショップが並ぶが、ここに童謡「春の小川」や「森の水車」のモデルになった渋谷川が流れていた。

「北斎の版画にも水車が描かれています。かつては田んぼもあって、水車で精米、製粉をしていたようですよ。そういう場所だったことを名前に残そうと思って」

 小池さんの店で精米した米には、ブランド名として「穏田の水車」と記されている。

「穏」の字は、もともと「隠」だったともいう。

「北斎の版画に『隠田』と書かれてます。伊賀者が幕府に与えられた土地だったから『隠』なんだという説もありますね」

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