野田:自民党はかつてダブル選挙でバカ勝ちしてきたという過去の栄光がありますが、中選挙区制時代の話なので今でも同じ結果になるかどうかわかりません。小選挙区では2年以内に選挙をやれば勝てるという勝ちパターンがある。2年以内なら、衆院選をやるなら4月。われわれ衆院が先にやって立ち直ったところで参院選。衆院は後援会という足腰を持っているから勝ち上がれるけれど、参院選は風に影響されるところがあるから。

古賀:麻生政権で選挙を先送りにして負けたというのがトラウマ的にあるからね。

大下:鶴保さんは今回、参院選がありますね。

鶴保:参院の中ではダブル選挙は歓迎の声が多いんですよ。選挙が楽になる、勝たせてもらえるだろうという声が多いのですが、それではだめですよと幹部としては言っておきたい。

大下:昨年9月の自民党総裁選は、安倍首相の無投票当選となりました。野田さんは出馬の準備をされていて、推薦人を19人まで集めたと聞きましたが、実際はどうだったのでしょうか。

野田:人数は秘密で。2週間しか準備期間がなくて、最初に相談したのは鶴保さんなんです。

鶴保:最初というのは今初めて聞きましたね。私は最初に「古賀先生はどう思っているの」という話をしたのは覚えています。

古賀:総裁選ができなかった、やれなかったというのは、政治がそこまで活力を失っているということです。そのことが一番寂しいというより恐ろしいよね。特に政権与党・自民党の活力がどんどん失われていっているというのは、あれが象徴的に物語っていますよね。鶴保さんの後に相談されたのは残念だけれどね(笑)。

(構成 本誌・長倉克枝、上田耕司)

週刊朝日 2016年2月26日号より抜粋