北原みのり「育休取得に『政治生命をかける』って」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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北原みのり「育休取得に『政治生命をかける』って」

連載「ニッポン スッポンポンNEO」

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普通のことを大げさに、危険なことを軽々しく言う政治家、信用できないです(※イメージ)

普通のことを大げさに、危険なことを軽々しく言う政治家、信用できないです(※イメージ)

 もちろん、私は国会議員の育児休暇は、男女関わらず、取れる方向にいってほしいと思う。だいたい、これまで育休どころか、産休を取った議員が、たったの10人しかいない。

 1950年に園田天光さんが現職の国会議員として初めて出産した時は、360度あらゆる方向から叩かれたという。以来50年間、2000年に橋本聖子さんが産休を取るまで、現職の議員は誰も産まなかった。「産めなかった」のだと思う。「個」を捨て「公」に生きろ! という抑圧の激しさ、出産をする女に向ける眼差しの厳しさに、議員になる女たちは「男」のように「個」を捨て働いてきた。

 私たちを代表する人の職場が、そんな所だったのだ。女が排除され、組織の論理が優先され、「個」の声は簡単に消されてしまう所。その積み重ねが、今の日本の政治状況なのだと思う。

 宮崎議員も賛同する自民党の憲法草案では、憲法13条「すべて国民は、個人として尊重される」が、「全て国民は、人として尊重される」と修正されている。「個」として尊重されなくなるのが自民党の目指す日本だ。さらに憲法草案24条には「家族は、互いに助け合わなければならない」ことが明記されている。

 出産のため入院している妻のいない自宅に、恋人を招く。家族で助け合ってないし、妻のことを人として尊重してない感じで、宮崎議員、自民党草案によれば完全に、違憲よね。

 こんなことによって、育休取りにくくなる人が増えないことを、祈ります。

週刊朝日 2016年2月26日号


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北原みのり

北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表

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