4人目は女子ラグビーの冨田真紀子(とみた・まきこ、24歳)。

 ラグビーが五輪で行われるのは、1924年のパリ大会以来(当時は15人制)。女子は今大会が初めてだ。「2010年に日本代表の合宿で、『リオで金メダルを獲るから、それに負けない覚悟のある奴だけ残れ』と言われました」。

 大柄な外国人選手が相手でも「怖さは感じません。足元に刺さるタックルで、倒しにいきます」。昨年のW杯とは違い、リオ五輪で実施されるのは7人制ラグビー。「大どんでん返しや逆転が起きやすい競技です。私たちの強みは、最後まで落ちない体力。もしリードされていても、走り続けて相手を倒すので、最後まで応援してください」。

 バスケットボールの渡嘉敷来夢(とかしき・らむ、24歳)は現在、米プロリーグで活躍している逸材だ。

 193センチの長身を生かし、国内のゴール下で圧倒的な強さを示す渡嘉敷。ジャンプ力もあり、男子並みのダンクショットもできる。昨年、単身海を渡り、米プロリーグチームに入団した。「アメリカに行ってすぐ、自分のスピードは通用するなと感じました」。

 世界最高峰リーグで戦い、幅も広がった。「日本にいた時は、中に、中に、という癖がついていましたが、アメリカでは外でのプレーを身につけ、バランスよくできるようになりました」。五輪本番で注目してほしいのは、日本チームのスピード。「ディフェンスから切り替えての速攻を見てほしいです」

 最後は柔道の永瀬貴規(ながせ・たかのり、22歳)。

「金は絶対に獲らないといけない。そう自分に言い聞かせています」。柔道の代表選手には、金メダルへの過剰な期待が寄せられる。だが各国のレベルが向上した今、それは容易なことではない。競技人口が多い男子81キロ級は最激戦区。昨年、永瀬が優勝するまで、世界選手権で日本人が優勝したことはないほど。五輪でも、00年シドニー大会の瀧本誠以来、勝てていない鬼門の階級だ。

 だが永瀬は「井上(康生)監督がシドニーオリンピックの決勝で内股で一本を取った試合のように、自分も投げて優勝したいと思っています」と、鮮やかに勝つことを意識している。

週刊朝日 2016年2月19日号