中村順司 元PL学園野球部監督(撮影/楠本涼)
中村順司 元PL学園野球部監督(撮影/楠本涼)

 薬物使用の疑いで逮捕された清原和博容疑者(48)について、元PL学園野球部監督の中村順司氏が、高校時代の清原容疑者を思い出しながら、今の心境を語った。

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 去年7月に30年ぶりに雑誌の対談で会ったときは、特に変わった様子はなく、昔話に花が咲いた。

 PL時代の思い出話をしたが、韓国で親善試合があったとき、清原がノーヒットで終わって、「お前、帰ったらしっかりやらんとあかんで!」と空港で怒った。そのときのこともよく覚えていた。

「あのとき、金浦空港で怒られましたよね」って。

 対談が終わって、後から(元PL学園野球部後輩で現阪神タイガース打撃コーチ)片岡篤史に聞いたけれど、「久々に中村監督に会ってめっちゃ緊張した。背中が熱くなった」と話していたらしい。変わってないんだなと思った。

 高校時代、両親、おじいちゃん、おばあちゃんと家族を本当に大事にしていて、親孝行で純真な子だった。甲子園最初の試合に出場したときは、とても緊張していたが、それから人が変わったようにどんどん打った。

 高校時代3年間、5季連続甲子園出場、うち4回決勝に出て、2回優勝、2回は準優勝と、清原のおかげで良い思い出をたくさんつくってもらえた。もちろん桑田(真澄)の功績も大きい。

 覚醒剤逮捕は、報道陣からの電話で知った。信じられない気持ち。2年前に週刊誌報道が出たときも、清原を信じて疑わなかった。

 今思うのは、あの純真な高校時代の清原に戻って、早くもう一回出直してほしい。

(取材班=今西憲之、上田耕司、亀井洋志、長倉克枝、西岡千史、林壮一、松岡かすみ、柳川悠二)

週刊朝日  2016年2月19日号