しばらく見ないうちに顔がすっきりした石原伸晃経済再生相 (c)朝日新聞社
しばらく見ないうちに顔がすっきりした石原伸晃経済再生相 (c)朝日新聞社

 甘利明・前経済再生相の辞任劇により、アベノミクスの司令塔を失った安倍政権。後任に石原伸晃氏が指名されたが、自民党内はおろか、政治評論家、経済アナリストらには「最大の不安要因」になりかねない、と指摘されている。

 TPP(環太平洋経済連携協定)は大筋合意はしているものの、細かな調整は必要だ。消費増税の議論も今後、大詰めを迎える。これまで行政改革相、国土交通相、環境相、原子力防災担当相を歴任しながら、経済閣僚の経験がない石原氏に務まるのか。不安は各所から上がっている。

 ある生命保険会社の運用担当者は、

「今後の経済の行く末は、甘利氏辞任より、石原氏就任の影響のほうがポイントになると思います。手腕はもちろん心配ですが、石原氏の身辺で変なことが出てこなければいいのですが……」

 石原氏といえば、党幹事長時代の2012年9月、原発事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所を、テレビ番組で「サティアン」と呼んで炎上。環境相だった14年6月には、汚染土などを受け入れる中間貯蔵施設をめぐる地権者との交渉後、記者団に「最後は金目(かねめ)でしょ」と発言。被災地の住民から総スカンを食らった過去は記憶に新しい。

 ある与党関係者は言う。

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