(c)カトリーヌあやこ
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 ディーン・フジオカが出演し話題の「ダメな私に恋してください」(TBS系 火曜22:00~)。主演の深田恭子は痛々しいほどの残念女子を演じているが、それが「ファンタジー」だと割り切れる理由を、漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏は解説する。

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 30歳、職なし、金なし、彼氏なし、そして処女のヒロイン・ミチコ(深田恭子)。もうね、深キョンが処女でモテないってだけで、ファンタジーなわけですよ。

 上司の黒沢(ディーン・フジオカ)に「B3用紙」を頼まれると、ビーサン(ビーチサンダル)を持って来るミチコ。職を失い、金欠のあまり「肉が食べた~い」を連呼しながら、道に落ちているネコ缶を食いそうになるミチコ。年下大学生に貢いで、貢いで、消費者金融から借金までして、それを返すためにキャバクラで働くミチコ。もう「ダメな私」どころか、人として頭がヤバいレベル。

 このヒロインをおかずクラブのオカリナがやっていたら、あまりの不憫(ふびん)さにTVの電源を即切りしてしまうところだが、深キョンだと、あら不思議、ファンタジーだと割り切れる。思い出すのは、かつて深キョンが出演した旅番組だ。マリー・アントワネットの生涯を追い、貴族の館を訪れた深キョン。ブルボン王朝の末裔という、品の良い老婦人に、深キョンは言う。

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