痔は、働き盛りから高齢者まで、性別や年代を問わず、誰でもかかる病気だ(※イメージ)
痔は、働き盛りから高齢者まで、性別や年代を問わず、誰でもかかる病気だ(※イメージ)

 痔は、働き盛りから高齢者まで、性別や年代を問わず、誰でもかかる病気だ。痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、痔ろう(あな痔)があって、そのうち痔核がもっとも患者数が多い。しかし、徐々に進行することや、恥ずかしさなどで、治療が必要な人が病院にかかっていないことも多いという。週刊朝日MOOK「手術数でわかるいい病院2016」から痔核の予防法を解説する。

 痔核は、生活習慣を改善すれば予防可能だ。東葛辻仲病院院長の松尾恵五医師も大阪中央病院の齋藤徹医師も、「トイレで長い間いきまない」という点を予防の第一に挙げる。

「便座に座る時間を短くする、排便回数を少なくすることが痔核の予防には必要です」(齋藤医師)

 便秘気味で、排便できるまでトイレにこもる人もいるが、そんなときは一度トイレから出て、便意が再度起こるのを待つようにしよう。トイレは便意が起きたらすぐに行くようにする、トイレに雑誌などを持ち込まないなども短くすませるためには大切だ。洗浄便座は肛門を清潔にするが、水勢が強いと肛門に負担をかけてしまうので強すぎないようにする。使用後はワセリンや軟膏を塗って乾燥による肛門周囲の皮膚炎を予防するのがベストだ。

 腰部やお尻を冷やすことや長時間同じ姿勢を続けることは血行を悪くして痔核の悪化を招く。また、シャワーよりも入浴で十分あたためるのがおすすめだ。

 便秘だけでなく下痢も肛門に負担をかける。規則正しい快便のためには暴飲暴食を避け、食物繊維を多く含む食材やヨーグルト・発酵食品などで腸内細菌叢のバランスをととのえることもプラスになる。

 そのほか、下の表に挙げたような点に気をつけて排便習慣を改善することで、肛門周辺の負担を軽くすることができる。

◇痔核予防の16のポイント

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