北原みのり「SMAP解散報道と東方神起分裂」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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北原みのり「SMAP解散報道と東方神起分裂」

連載「ニッポン スッポンポンNEO」

解散報道から、目が離せなかった…(※イメージ)

解散報道から、目が離せなかった…(※イメージ)

 今回の謝罪に限らず、これまで幾度となく目にしてきた日本社会の男たちの謝罪方法や、事の始末の付け方に、私自身が心底うんざりしているのだと思う。謝罪に屈辱を滲ませるような空気、問題を「なかったこと」にしたがる組織、責任の所在を明らかにせず、スケープゴートにした個人に全て押し付けようとする力、力ある立場が振るう“見せしめ”を黙認する社会。謝罪がただの形式化していて、誰の痛みにも寄り添うものではなくなっている。

 女性の欲望を形にし、異論はあるにせよ何十年も耐性のある「抱かれたい男」を産みだし、国境を超えたアジアのスターとなったSMAP。そんなSMAPであっても、日本の男社会の原理から逃れられず、あんな謝罪しかできなかったことが重たい。

 東方神起の分裂は、思えば、苛烈だった。中途半端に手を打たず、残された2人は未来を奪われたところから再出発した。人の心が離れることは、組織から見放されるよりも、どれほど怖かったろう。そんな経験を経た東方神起ファンとして、女の心が離れることに恐怖を感じないアイドルの会見ほど、殺伐とした気持ちになるものはない。間違った方向を向いた無意味な謝罪を、SMAPにさせるべきじゃなかった。

※「なぎ」は弓偏に前の旧字体。その下に刀

週刊朝日  2016年2月5日号


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北原みのり

北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表

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