火渡り春の訪れを祝い、悪魔を払う「ホーリー祭」の前夜、たき火を囲んで祈るのが習わしだ。ある片田舎では、一人の男が、3メートルほどの火柱を上げて赤々と燃えさかる炎の中を裸足で渡り切り、何千人もの観客から大歓声を受けていた(撮影/藤本将史)
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火渡り
春の訪れを祝い、悪魔を払う「ホーリー祭」の前夜、たき火を囲んで祈るのが習わしだ。ある片田舎では、一人の男が、3メートルほどの火柱を上げて赤々と燃えさかる炎の中を裸足で渡り切り、何千人もの観客から大歓声を受けていた(撮影/藤本将史)

 世界中を放浪し、写真に収めている。最も圧倒された国がインドだ。人々の生活の中には、常に神が存在し、人々は祈り、感謝を捧げる。神への最大の感謝を表すのが、「祭り」。人があふれ熱気を帯びた街は、時に犠牲者が出るほど荒々しく、時にきらびやかに姿を変える。インド各地で催されている情熱的な祭りに藤本将史さんが迫った。

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◇人間ピラミッド
ヒンドゥー教のクリシュナ神の生誕を祝う祭り「クリシュナ・ジャンマーシュタミー」。強靱な肉体を持った男たちが集い、危険を顧みずがっちりと肩を組んで、高い“塔”をつくる。けが人も多く、この時期は病院が混むとか。

◇火渡り
春の訪れを祝い、悪魔を払う「ホーリー祭」の前夜、たき火を囲んで祈るのが習わしだ。ある片田舎では、一人の男が、3メートルほどの火柱を上げて赤々と燃えさかる炎の中を裸足で渡り切り、何千人もの観客から大歓声を受けていた。

◇色粉かけ
「ハッピーホーリー!」のかけ声とともに、赤、青、黄色などカラフルな色粉や色水をかけ合って、町も人も家も染める。ホーリー祭のメインイベントだ。この日は商店や交通機関も休業。観光客も巻き込んで盛大に騒ぎ、祝う。

◇女性の祭典
白い宮殿と湖が美しい町ウダイプルで、女性たちが春の到来を祝う「メワール祭り」。きらびやかなサリーをまとった女性が、精霊が宿るとされる人形を湖に向け、祈りを捧げる。静かな古都に、大輪の花が咲いたようだった。

◇牛追い
インド南部・タミルナードゥ州で催される「牛追い祭り(ジャリカット)」。土煙を上げて興奮状態で飛び出す牛に、闘牛士たちが体一つで飛びかかる。だが、野生の猛牛の動きは機敏で荒々しく、触れるだけで精いっぱいだった。

週刊朝日 2016年1月29日号