落語家・春風亭一之輔 新しいハラスメント「◯◯ハラ」への笑える対処法 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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落語家・春風亭一之輔 新しいハラスメント「◯◯ハラ」への笑える対処法

連載「ああ、それ私よく知ってます。」

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「知らない人のサイン、欲しいですか?」(※イメージ)

「知らない人のサイン、欲しいですか?」(※イメージ)

 落語家・春風亭一之輔氏が週刊朝日で連載中のコラム「ああ、それ私よく知ってます。」で、新しいハラスメント「サイハラ」について語っている。

*  *  *
 今年の元日。某寄席に出演するため楽屋口から入ろうとすると、背後から見知らぬおじさんに呼び止められた。

「サイン、ちょーだいっ!!」

 おじさんの右手には色紙一枚と油性マジック、左手にはスーパーのビニール袋。中に色紙の束が入っていた。

 ピンときた。正月の寄席は出演者がとにかく多い。おそらく楽屋付近で待ち構えて、かたっぱしから芸人にサインをもらう腹づもりではないか……。

 最近ではネットオークションにサイン色紙を出品する輩もいるらしい。私のサインが売れるかどうかは別としても、けしからんことだ。

 で、一応聞いてみた。

「僕の名前、知ってますか?」

「は? サインちょーだいっ!」

 おじさんはとにかく笑顔だ。

「いや、誰だかわかりますか?私のこと……」

「あー、ま……、いいじゃないっ!!」

 ……よくねーよ。

「知らない人のサイン、欲しいですか?」

「ゴメンね! 勉強不足で! これを機に覚えるからさ。書いてよー、一枚くらいっ!!」

 悪びれもせず、おじさん。

「そうですか。じゃあ、ちゃんと覚えてくださいよ(苦笑)」

 と言いながら、

<一富士、二鷹、乳酸菌 ホージー八重樫 2016・1・1>

 と、架空の芸人の架空の座右の銘を書いておいた。

「あなた何の芸人さん?」

 とおじさん。

「ヤクルト漫談のホージー八重樫です、よろしく」

「ありがとう、スージーさん!」

 覚えてねぇじゃねぇかよ。スージーって!


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