議論を呼んだ宮崎氏(左)と金子氏は、出産後は子育て政策に力を入れるのか (c)朝日新聞社
議論を呼んだ宮崎氏(左)と金子氏は、出産後は子育て政策に力を入れるのか (c)朝日新聞社

「国会議員三ツ星データブック」を発行するNPO法人「万年野党」の協力で衆参全議員の国会(2014年12月~15年9月)での質問回数、議員立法発議数、質問主意書提出件数を本誌は調査した。そこでは「トリプルゼロ」議員が65人も存在したことが発覚した。

 国会の内外で“お騒がせ”だった議員は、どんな仕事ぶりだったのか。

 まずは、1月14日の自民党本部での会議で、旧日本軍の慰安婦問題について「職業としての娼婦、ビジネスだった」と発言した自民党の桜田義孝衆院議員。

 その仕事ぶりはトリプルゼロ。アンケートにも回答はなかった。親分の安倍首相も、発言には「(昨年末の)日韓合意を踏まえて発言してほしい」とオカンムリで、発言は撤回に追い込まれた。

 昨年7月には、国会前の反安保法制デモに参加する学生を「自分中心、極端な利己的考え」とツイッターで評論して、逆に世間から批判された武藤貴也衆院議員(無所属)が話題になった。昨年8月までは自民党に所属していたが、質問回数は2回と、若手議員としては物足りない。

 維新の党を昨年、サボり疑惑で追い出された上西小百合衆院議員は、懲りずに写真集を発売したり、バラエティー番組に出演したりと、大忙しだ。肝心の国会では、5回の質問をし、うち4回は離党後に無所属でしている。まずまずの数字か。

 国会議員として育児休暇の取得を目指すと宣言した自民党の宮崎謙介衆院議員はどうか。

 宮崎氏の質問回数は2回。ただ、内容を具体的に見ても、育児休暇や子育て支援の制度について触れた質問はなかった。妻の金子恵美衆院議員(自民党)の質問回数は1回。こちらも出産・育児の制度についての質問はなかった。その理由を質問状でたずねたが、宮崎氏は期限までに回答なし。金子氏の事務所は「切迫早産で入院中で回答できません」とのことだった。

(本誌取材班=長倉克枝、西岡千史、亀井洋志)

週刊朝日 2016年1月29日号