できたてポテトチップ「できたてポテトチップ」は、インターネット限定で販売。145グラム入りの袋6つが1セットで1800円菊水堂埼玉県八潮市垳58(撮影/写真部・馬場岳人)
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できたてポテトチップ
「できたてポテトチップ」は、インターネット限定で販売。145グラム入りの袋6つが1セットで1800円
菊水堂
埼玉県八潮市垳58
(撮影/写真部・馬場岳人)
レインボーラムネ750グラムで500円。贈答用の箱は別途販売しているイコマ製菓本舗奈良県生駒市俵口町1421―2(撮影/写真部・馬場岳人)
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レインボーラムネ
750グラムで500円。贈答用の箱は別途販売している
イコマ製菓本舗
奈良県生駒市俵口町1421―2
(撮影/写真部・馬場岳人)

 手に入りにくいから、余計に食べてみたい。たかがお菓子とは言わせない最長2年待ち、“幻”のお菓子を紹介する。

【幻のお菓子、その他の写真はこちら】

◇レインボーラムネ(当選倍率40倍)

 直径2センチほど。一般的なラムネよりもかなり大きい。手に入りにくさから「幻のラムネ」と呼ばれる。地元の一部の菓子店に卸す以外は、一年に2回、3月と9月にハガキによる抽選販売をする。昨年3月には、3500人の当選に対し、40倍ほどの約14万通の応募が殺到した。

 独特な食感も人気の秘密だ。外はかりっと、中はふわっと。たこ焼きのような食感を目指しているという。それでも「ラムネは奥深い。まだ70点の出来ですね」と平口治社長。理想のラムネを追い続けている。

イコマ製菓本舗/奈良県生駒市俵口町1421‐2/www.ramune.net

◇できたてポテトチップ(1カ月待ち)
 賞味期限わずか2週間。添加物を使わず作られるポテトチップは、できあがり当日に工場から直送され、最短で翌日に顧客に届く“鮮度”を誇る。大量生産の工場に多い循環式ではなく、フライ油の中を炎のパイプが通る「直火炊き」製法に加えて、フライ時の細かい温度管理が引き出す“懐かしい味”が評判に。通常よりやや薄めの味付けにもファンが多い。

 創業は1953年。2代目の岩井菊之社長は、「先代から受け継いだ素材に対するこだわりと、おいしいものへの追求、それだけです」と話す。

菊水堂/埼玉県八潮市垳58

◇煉(半月待ち)

 東京・銀座の雑居ビルの一角、約1坪の店に連日多くの人が訪れる。ここで作られる「煉(れん)」は、独特なもっちりした食感や口どけが人気の練り菓子。繊細で崩れやすいことなどもあり、店舗のみでの販売だ。

 店主の古関一哉さん(38)は、日本料理の板前として修業をする中、練りあげて作るごま豆腐の奥深さに魅せられ、次第に「製法を生かして他にはない菓子を手がけたい」と思うように。2年を費やし「煉」は生み出された。独立して人気店となった今も、製造から販売まで一人で担う。

銀座かずや/東京都千代田区有楽町1‐6‐8 松井ビル1階

◇金平糖(2年待ち)

 砂糖を結晶化するのは、お菓子づくりの中で最も難しいという。1847年創業、日本唯一の金平糖専門店が長年の技を結集した究極の金平糖には、チョコレートやワインなど、熱に弱く、通常は結晶化が難しいとされる素材が使われている。

 商品化に8年も要したチョコレートの金平糖は、完成までに3週間かかる。少量しか作れず、現在は手元に届くまで2年待ちだ。

 5代目の清水泰博さん(51)は、「作り方のレシピが全くない。金平糖の音を聞き、五感を結集して作っています」。

緑寿庵清水/京都市左京区吉田泉殿町38‐2

週刊朝日  2016年1月22日号