北原みのり「『慰安婦』問題から見える地獄」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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北原みのり「『慰安婦』問題から見える地獄」

連載「ニッポン スッポンポンNEO」

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「慰安婦」問題が、急に動きだした…(※イメージ)

「慰安婦」問題が、急に動きだした…(※イメージ)

 作家・北原みのり氏の週刊朝日連載「ニッポンスッポンポンNEO」。北原氏は、「慰安婦」問題は私たちの問題として考えるべきだという。

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「慰安婦」問題が、急に動きだした。12月28日、突然「日韓合意」が発表され、両国外相が「最終的かつ不可逆的に解決」と言い切り、多くのメディアが「歴史的合意」と評価した。正直、あのアベさんと、あのパク・クネさんがやったことを、どのくらい信じていいのか私は分からない。少なくとも、当事者の女性たちには、この「合意」は事前には全く知らされていなかった。

 私は「慰安婦」問題について、ここ数年、正確に言えば橋下徹大阪市長(当時)が「慰安婦制度は必要だった」発言をした2013年をきっかけに積極的に関わろうとしてきた。私と同世代の40代の男性政治家による発言は、やはり衝撃的だった。

 1991年に初めて「慰安婦」だった女性が声をあげてから、四半世紀。この間、日本政府、そして日本の司法は彼女たちの訴えに耳を貸してこなかった。そのことが問題だ、と私はそれまで思っていたけれど、橋下氏の発言で考えさせられたのだ。「慰安婦」問題を解決させないのは、政府や司法だけではない。私たちの社会における「男の性欲」に対する、ぼんやりと、ふんわりと、とてつもなくゆるく甘い、だけれど非常に強固で女を黙らせ、いやがおうでも従わせるような力を持つ「信仰」のようなものが、「慰安婦」問題に対する理解を、全く深めてこなかったのではないか。男の性欲は国に管理されてでも、女を搾取してでも守られるべき権利であり、優先されるべき「自然」であると、そんなふうに考えるような人を、この社会は育て続けてきたのではないか。


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