田原総一朗「2016年は『地方創生』よりも移民導入を真剣に考える時だ」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「2016年は『地方創生』よりも移民導入を真剣に考える時だ」

連載「ギロン堂」

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求職者が減った理由は…(※イメージ)

求職者が減った理由は…(※イメージ)

 計算上、分母にあたる求職者が減れば、有効求人倍率が上がるのは当然である。では、なぜ求職者が減ったのか。労働局の説明では、少子化と若者の県外流出などで労働人口が減っているのだという。

 毎日新聞は「『雇用改善』の一因が過疎化・少子化による人手不足にもあるとすれば、地方の『創生』どころか『衰退』が進んだことにもなりかねない」と指摘している。

 実は00年から12年までの間に、廃校になった公立学校が5796校、廃止されるバス路線が毎年2千キロメートルに及んでいる。

 高知県だけではなく、ほとんどの県が人口減少による深刻な人手不足に悩んでいて、政府に移民の受け入れを強く求めているのである。

 ところが日本では、移民は実際にはタブーのような状態で、たとえば、「外国人労働力の比率」が、シンガポールでは37.0%、アメリカ16.2%、イギリス8.0%、韓国1.8%であるのに対して、日本は1.0%でしかなく、日本の定住外国人の割合は、なんと世界で151位となっている。

 それに、イギリス、フランス、ドイツなどヨーロッパ諸国では04年前後に移民法が定められ、韓国でも07年に移民法に近い制度がつくられているのに、日本では移民法を検討する気配さえなく、たとえば外国人労働者を受け入れるための技能実習制度は設けられているのだが、建前と実態が乖離していて、3年ですべて本国に送り返している。

 石破茂地方創生担当相は11月24日の記者会見で、「人口が減る中で、移民の方々を受け入れる政策を進めるべきだ。外国人が日本に来るのはだめというのはおかしい」と強調し、河野太郎行革相も11月7日の国際会議で「(移民受け入れについて)そろそろテーブルに載せ、議論をはじめる覚悟が必要だ」と言っているのだが、現在のところ、かけ声以上には進んでいないようだ。

週刊朝日 2016年1月1-8日号


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田原総一朗

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

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