体の動きが鈍くなった高齢者も、運転前の少しの体操で反応が改善されるという(写真はイメージ)
体の動きが鈍くなった高齢者も、運転前の少しの体操で反応が改善されるという(写真はイメージ)

 12月18日に「ヘルプマン!!高齢ドライバー編」(朝日新聞出版)の単行本第3巻が発売された。近年、大きな注目を集める高齢ドライバーの事故。センサーなどを使い、自身の運転を見直す事故防止対策講習なども増えているが、高齢者が運転を続けられる道はさらに探求されている。

 物理的に機能を高める動きもある。NPO法人高齢者安全運転支援研究会は、独自の「運転前体操」を考案した。

「体の動きが鈍くなった高齢者も、運転前の少しの体操で反応が改善されるようです」(平塚雅之事務局長)

 体操は、スポーツトレーナーやエアロビクスの講師ら専門家と共同で作り上げた。手をこすり合わせる、グーパーと広げたり握ったりを繰り返す、肩を上げ下げするなど、20~30分ほどの運動で、運転に必要な筋肉を刺激し、関節や筋肉の可動域を広げていく。

「いくつかの教習所で体操を試したところ、高齢者から『体の動きがよくなった』と好評でした。体操をすることで、『これから運転するんだ』との意識を持ち、集中力を向上させる二次効果も狙っています」(同)

 今後、体操と安全運転との効果を検証し、数年後に携帯電話のアプリなどで誰でも学べるようにしたいと考えている。

 愛知県大府市の国立長寿医療研究センターは、記憶力や判断力に衰えがみられる高齢ドライバーでも安全に車を運転できるようにする訓練法を開発中だ。2年間かけて研究し、効果を検証するという。

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