東尾修「今の選手はうらやましい。でも…」高騰する年俸に苦言 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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東尾修「今の選手はうらやましい。でも…」高騰する年俸に苦言

連載「ときどきビーンボール」

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週刊朝日#東尾修
推定年俸2億円で契約を更改した大谷。報道陣からケーキが贈られた=12月4日、札幌ドーム (c)朝日新聞社

推定年俸2億円で契約を更改した大谷。報道陣からケーキが贈られた=12月4日、札幌ドーム (c)朝日新聞社

 所属球団はシーズン中や終了直後から選手と下交渉をし、残留させるための条件を提示する。本当に残ってもらいたい選手には、大幅昇給や複数年契約が提示される。選手はその条件を見たうえでFA宣言するのだから、球団にしてみれば「こちらの提示額に納得できずにFA宣言するなら、残らなくていい」と考えるのは自然の流れだろう。宣言残留を認めない方針を打ち出すことは、球団の権利でもあるはずだ。

 主力とまでは言えない選手であれば、FA権を持ったとしても行使をためらうだろう。サラリーマンが「退社したい。ただ、別会社と交渉して不調に終わったら僕を戻してくれ」と言ったとしても、戻してくれる会社なんてない。移籍を希望するということは、それだけのリスクを伴う。

 もはや1億円は「大台」と言えないほど、年俸は高騰している。それだけ、選手には責任と自覚、そして球団から多くのお金をもらえているという、感謝の思いを少なからず持つべきだろう。条件や権利ばかり主張し、金額がひとり歩きして、そこに伴うはずの選手の責任感が希薄になってはいけない。その点はすごく気になるよな。

 私は投手では初の1億円プレーヤーとなったが、36歳の時だったかな。それまで何勝して、大台に到達したか。今、名球会の投手の全員の生涯年俸を足したって、すでに田中将大(米ヤンキース)が手にした金額に及ばないだろう。私が1億円を手にしたのはバブル期だった。半分を税金でとられ、マンション1室すら買えなかった。

 今の選手はうらやましい。でも、年俸には自覚を持ってほしいな。

週刊朝日 2016年1月1-8日号


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東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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