心の闇は世界共通? 台湾で日本の“ホラー漫画”が人気 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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心の闇は世界共通? 台湾で日本の“ホラー漫画”が人気

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伊藤さんを囲むファン。陸培倫さん(30、写真最前)は、伊藤さんの代表作、「首吊り気球」になぞらえ、「気球のように天にも昇る心地」と興奮気味(撮影/写真部・東川哲也)

伊藤さんを囲むファン。陸培倫さん(30、写真最前)は、伊藤さんの代表作、「首吊り気球」になぞらえ、「気球のように天にも昇る心地」と興奮気味(撮影/写真部・東川哲也)

 12月初旬、台北市内の展示会場。テレビ、新聞、雑誌など60人を超える台湾メディアの取材陣が、一人の日本人を取り囲む。中心にいるのは漫画家の伊藤潤二さん(52)。伊藤さんの作品をテーマにした展覧会が、台湾で熱狂的な人気を博している。

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 伊藤さんは「楳図かずおのDNAを受け継ぐ」とも言われるホラー漫画家。何度殺されても甦る美少女を主人公にした「富江」シリーズは、たびたびテレビドラマや映画になった。

「好きな人は好き」というホラーの世界。だが台湾での受け止められ方は日本とはやや異なる。

「伊藤先生の作品は、ホラー漫画としてだけでなくアートとして人気。美しい絵、精密な線のタッチ、どれもクールです」

 と、イベントを企画した温怡寧さん(38)は話す。

 作品はアジア、欧米など10の国と地域で翻訳出版されている。台湾での知名度は、1994年の初出版以降特に高く、展覧会のチケットは開催前に3万枚以上が売れた。

「10月に台北であったファンイベントでは、伊藤さんが登場するとスター並みの大歓声が上がり、涙を流して感激する女性もいました」(イベント関係者)

 海外での反応は、伊藤さんにとっても想定外だったという。

「私が描く心の闇、人間の情念は、どの国の人にも共通する普遍的なものなんだと感じます」

 今後、香港や中国でも伊藤さんの展覧会を開く計画があるという。“クールジャパン”の裾野はまだまだ広がりそうだ。

週刊朝日 2015年12月25日号


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