「所定時間の8割ぐらいを目安にして解いてください。マークシートを塗りつぶすのは時間のムダなので、問題集に直接書き込みましょう。苦手科目は最低でも10年分、できれば20年分ぐらいは解きたい。出題傾向は年々変わるため、最近の過去問から解いていくほうがいいでしょう」

 12月中は、国語なら1年分を全部解くのではなく、古文だけ、漢文だけ、現代文だけとそれぞれを集中してやると効果的という。英語も1年分ずつでなく、分野ごとに集中的に。その他の科目でも、苦手分野がはっきりしている場合は、その分野を徹底的に解いて、弱点を克服するといい。

 苦手科目については、赤本(教学社)、青本(駿台文庫)、黒本(河合出版)の3冊すべてに取り組む方法もある。

「赤、青、黒それぞれに解説が違いますから、理解が深まります」

 数年分をまとめた過去問は分厚く、持ち運ぶのに重く、解説を探すのに手間取ってしまう。そこで佐藤さんがお勧めするのが、オリジナルの「製本」だ。まず、カッターで問題と解説を分ける。問題は年度ごとに切り分け、ホチキスで留め、何年の問題かわかるように表紙をつける。解説は1冊にまとめ、年度ごとにインデックスをつける。

 佐藤さんの息子たちも、年度ごとにまとめた薄い問題集数冊を持ち歩いていた。インデックスで該当年度の解説を探すことができ、便利だったという。

 何度も間違う問題があれば、問題集を見直すだけではなく、ノートにまとめるといいという。

「ノートに書き込んでもいいし、問題を切って貼ってもいい。ふつうのノートでなく、リング式がお薦め。片側1ページずつ開くことができるので、見やすいし、場所をとりません」

 年号や公式などを紙に大きくカラフルに書き、よく目につく場所に貼る方法も効果的だという。

 年が明けたら、試験の時間配分も意識した学習をする。時計をチラ見し、スピードと進捗状況を見極めながら解いていく。例えば国語だと、長文読解の得意な人は冒頭の現代文から順番に解けばいいが、苦手な人は古文、漢文を解いてから現代文に取り組む。同様に英語も、発音、アクセント、文法などの問題を先に解いてから、長文読解に取り組むといいという。

「本番の2日前までは『なせばなる』と言い、受験前日には『なるようになるさ』と、子どもたちに明るく声かけしました」

週刊朝日 2015年12月25日号より抜粋