3月7日の千回目の放送を区切りに降板された後、初代秘書の八塩圭子さん(元テレビ東京アナウンサー)が電話でお話しされたそうで、そのときに「須黒のことを一人前にできなかったのが心残りだ」とおっしゃっていたと聞き、感激しました。

 私も亡くなる前に電話でお話をしました。ご病気のことを知らなかったので、「どうして辞められたんですか、寂しいです」と伝えると、愛川さんは「ごめんね、ご飯に行く約束をしていたのに行けなかったね」。私は声を聞いた途端に泣いてしまい、感謝の言葉を伝えられたかどうか……。愛川さんも少し泣かれていたような気がしました。最後に「大丈夫、お前なら誰の隣でもやっていけるから。ちゃんと見てるから」と言ってくださり、その言葉がずっと心に残っています。

 亡くなった今も、どこかで愛川さんが背中を押してくれている気がします。この間も番組のスタッフと「愛川さん(天国で)元気にしているかな」って話をしました。「泣くんじゃないよ」とおっしゃると思うので、みんなで笑って、愛川さんが愛した番組を続けていけたらと思っています。

週刊朝日 2015年12月18日号