室井佑月 イスラムと西側欧米諸国の「泥仕合にあまりかかわらないで」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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室井佑月 イスラムと西側欧米諸国の「泥仕合にあまりかかわらないで」

連載「しがみつく女」

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日本もついに宣戦布告されてしまった…(※イメージ)

日本もついに宣戦布告されてしまった…(※イメージ)

 この国は、そういう泥仕合にあまりかかわらないでほしい。できるだけイスラム側とも西側欧米諸国側とも距離を置いてほしい。

 イスラム国と戦う周辺諸国への支援を約束し、日本人はテロのターゲットに名指しされてしまった。でも、ターゲットの順番はまだ低いと願いたい。直接、軍を送ったり、空爆はしていないから。

 今後、西側欧米諸国からせっつかれ、支援金を出さざるをえなくても、できるだけ目立たないようにやってほしい。兵站や武器提供なんか絶対にしないで。

 こういったことをいうと、「テロに屈するのか!」「イスラム国の味方か!」と一部の人が怒ったりする。

「友達が戦っているのに、こちらも血を流さなくては」といわれてもね。友達が敵になったりするのが世の常識。ほんとうに仲の良い自分らの事情を話せる友達じゃないから、困っているんじゃないんですか?

 それに、テロが怖いと思う気持ちをやめろといわれても無理がある。

 実際に血を流すのは、西側欧米諸国と一緒に戦おうと、勇ましい約束をしてきたりする人じゃない。そういう人たちには、屈強なSPがつき、送り迎えはハイヤーで、テロで死ぬ確率も低そうだ。

 11月17日、トルコから帰国した安倍さんは、国家安全保障会議(NSC)を開き、菅官房長官らに「未然防止に全力を尽くしてほしい」と指示を出したという。

 フランスだって、とっくにそうしていたと思うけど。

週刊朝日 2015年12月11日号


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室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中。

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