「優待をもらえる回数が1年に1度か、2度かによって株価の値動きも異なってきます。1年に1度しか優待がない銘柄は権利確定日を過ぎた後、株価の落ち込みが大きいことがあります」(かすみちゃん)

 特に、権利確定日が多いのは、3月末と9月末。3月末に権利確定日を迎える銘柄を買うのなら、12月の今がベスト。冬のボーナスで買うのに打ってつけというわけだ。リタイアしたシニアも、株価が低いうちに入手しておきたい。

「株を買ってからも、株価に一喜一憂しないで、長い間、企業を応援するつもりで持ち続けるために、充実した優待がもらえる銘柄を選ぶ方法もあります」

 こう語るのは経済ジャーナリストの雨宮京子さん。また、近年は株主優待制度を導入する企業が増えて、優待の種類もバラエティーに富んできたので、株の初心者でも選びやすいという。

 大和インベスター・リレーションズによると、実施する企業は2015年8月の時点で昨年に比べて77社増、過去最高の1227社に達した。

「小売りや食品など消費者になじみの深い企業が、自社製品を提供するケースが多かったのですが、機械や金属製品などの企業で新設が目立っています。1年以上保有すると、優待券を倍にするなど長期保有者を優遇する企業も175社に増えました」(同社の松永聖祥企画・総務グループ長)

週刊朝日 2015年12月11日号より抜粋