今回の上位3キャラ。左から、みきゃん、出世大名家康くん、ふっかちゃん
今回の上位3キャラ。左から、みきゃん、出世大名家康くん、ふっかちゃん

 時が、きた。

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 11月21日から23日まで、浜名湖ほとりの特設会場で開催された、「ゆるキャラグランプリ2015 in 出世の街 浜松」。来場者のべ7万7千人、エントリーキャラは1727体。いよいよ順位発表である。

 会場では全国から駆けつけたゆるキャラたちが練り歩いたり、子どもたちと記念写真を撮ったりと、愛嬌をふりまいている。それぞれひいきのキャラのグッズを身につけたりコスプレをしたりする来場者も多い。ちょっと「フェス」ふうな空気でもある。埼玉県深谷市の「ふっかちゃん」のグッズを持っている人がいちばん多そうに見えた。

 くまモンやぐんまちゃんなど、過去のグランプリキャラを発見したときには、「本物だ!」とか、どこかスターを目撃したような気分にもなる。

 中間発表2位で開催地・浜松の地元キャラ、「出世大名家康くん」の存在感ある巨大な風船型遊具で子どもが遊び、中間トップの愛媛のキャラ「みきゃん」との記念撮影会には長蛇の列。

 23日15時すぎ。いよいよ結果発表。グランプリに輝いたのは、695万票というかつてない票数をたたき出した「出世大名家康くん」。会場からは歓声があがり、

「ありがとなのじゃー!」

 と、家康くんも勝ちどきをあげる。直前まで行われたネット投票では僅差で2位だったが、5万票近いイベント会場での現地票を獲得、しかもその現地票は1.5倍の換算になるということで、最終的にみきゃんを逆転するという劇的な結果となった。地の利とルールをフルに生かした逆転劇、さすが戦略家・家康だ。

 3強の顔ぶれは変わらず、2位がみきゃんで3位はふっかちゃん。グランプリの家康くんは殿堂入り扱い、来年の開催地は、みきゃんの地元愛媛県松山市。これはもう、みきゃんのリベンジ確定かと思いきや、「ホストとしての立場でみなさんをおむかえしたいので」という理由で次回の不参加をステージ上で発表した。ちなみにふっかちゃんも、今回が最後の参加となる。

 トップ3がまるごと姿を消す2016年。ゆるキャラ界、再び群雄割拠の時代に突入する。

(太田サトル)

※週刊朝日 2015年12月11日号