リオデジャネイロオリンピックでゴルフ日本代表のヘッドコーチを務めるプロゴルファーの丸山茂樹氏は、意気込みをこういう。

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 おかげさまで11月23日に「第10回記念大会丸山茂樹ジュニアファンデーションゴルフ大会」(栃木・ファイブエイトGC)を無事終えることができました。

 小学校5、6年生、中学生、高校生のそれぞれ男女計6部門に106人が参加してくれました。18ホールのストロークプレーで争ったんですが、中学生男子の部でウチの奨王(ショーン/15)が優勝しちゃいまして。

 これまでも何度か2位には入ってたんですけど、優勝は初めてです。4バーディー、1ボギーの69で、高校生の男子も合わせた43人中でもトップで、来年の男子ゴルフツアー「長嶋茂雄招待セガサミーカップ」のマンデートーナメント(主催者推薦選考会)出場権を獲得しました。

 僕に対しては「よかったよ」ぐらいで素っ気なかったですけど、メディアの方の取材には「2位とか3位ばかりだったので、すごくうれしいです。マンデーを通って、お父さんと同じ試合に出たい」なんて言ってましたね。

 
 ロサンゼルスから試合の2日前に帰国して、前日に練習して。いまはキャンベルホールスクールというところの10回生です。向こうはジュニアの試合が多いから、経験値は積み重ねてますね。会うたびにドライバーの飛距離が伸びてて、もう280ヤードぐらい飛ばします。マンデートーナメントも、すごくいい経験になると思います。

 今回は叙々苑さんに大変お世話になりました。会場内に屋台を出してくださって、和牛カルビを50キロも焼いて、子どもたちや保護者のみなさんに振る舞ってくれたんです。もう、みんな大喜びでしたよ。もう日本一のホスピタリティーじゃないですか? 本当に感謝しています。

 10回目を終えて思うのは、今後もベストを尽くして、子どもたちにいい試合を提供していきたいですよね。そしてさらに協賛を得られるよう、魅力的な試合にもしたいと思います。

 マルジュニアの前に出場してきました男子ツアーの「ダンロップフェニックストーナメント」(11月19~22日、宮崎・フェニックスCC)では74、72の4オーバーで、1打差で予選落ちしちゃいました。今年は3試合に出て、全部予選落ちでした。

 
 やはり左手親指の慢性亜脱臼を抱えて一夜漬けのゴルフでは、プロの世界ではなかなかうまくいかないってことですね。ただ2日間、自分なりのベストを尽くしてやってますから、その結果に後悔はしてません。

 この試合の前日、宮崎でオリンピックゴルフ競技対策本部から正式なヘッドコーチ就任の要請を受け、受諾しました。そのときに僕が言ったのが、「メダルを獲った選手に複数年の国内ツアーのシードを与えてくれませんか」ということ。それも自分が使いたいときに使えるシード権です。

 どうにかしてオリンピックのゴルフ競技に付加価値をつけたくて、ずっと考えてました。ほんとに実力があれば複数年シードなんかいらないですけど、あれば心の余裕が違う。

 たとえば金メダルなら10年、銀なら5年、銅なら3年。30代のうちは海外挑戦して、40~50歳の非常に難しい年齢のときにそのシード権が使えたら、余裕を持って戦えますよ。

週刊朝日  2015年12月11日号

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丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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