橋下徹大阪市長 (c)朝日新聞社
橋下徹大阪市長 (c)朝日新聞社

 11月22日投開票が行われた、大阪府知事、大阪市長のダブル選挙。フタを開けてみれば、大阪市の橋下徹市長(46)率いる大阪維新の会の圧勝だった。

 知事には現職の松井一郎氏(51)、市長には前衆院議員の吉村洋文氏(40)が当選した。

「国政に与える影響は悪くない」

 当選確実の報道を受けての記者会見で、松井氏は満足そうに答えた。控室にいた大阪系の国会議員も、

「この2勝で流れはうちに来るはず。野党再編の追い風となる」

 注目されるのは、12月で大阪市長を辞める橋下氏の去就だ。5月の大阪都構想の住民投票では、僅差で否決となり、政界引退を表明した。

 今回のダブル選では橋下氏が選挙の強さをみせつけた。松井氏と吉村氏の二人での演説では聴衆がパラパラ。そこへ橋下氏が駆けつけると黒山の人だかり。選挙戦途中、橋下氏が前座で演説して聴衆を集めてから、後から松井氏と吉村氏が登場する作戦に切り替えた。

「市長の任期が終われば私人だ。法律政策顧問になるが、政策決定など深くかかわることはない」

 橋下氏は今後の身の振り方についてそう語り、けむに巻いている。ただ、5月の住民投票後、橋下氏は複数の国会議員、地方議員にこうもらしたこともあった。

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