俳優・柄本明が「つまんない芝居」を望むワケ (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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俳優・柄本明が「つまんない芝居」を望むワケ

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「ちゃんとしてなきゃいけないのって、結構つらいよね」(※イメージ)

「ちゃんとしてなきゃいけないのって、結構つらいよね」(※イメージ)

 俳優・柄本明さんの言葉がグサグサと胸に突き刺さる。

「人間って結局、何かの真似をしているに過ぎないわけじゃないですか。“これは一から俺が作った”なんて、そんなはずないんだもん」

「僕に限らず、人間は、生涯自分の欲望と付き合っていかなきゃいけない。芝居をしていても、“これでいい”なんて思うことはないから、情けないよねぇ(苦笑)。だからやっぱり、悔しいまま死んでいくんだろうな。ファッファッ。なんか暗いね(笑)」

「結局“何かをやる”ってことは、“何かができない”ってことに、気づくだけじゃないですか」

 質問に対する柄本さんの答えのほとんどに、救いがない感じがする。でも、なぜか笑えてしまう。そしてふと、考えさせられる。

 かつてNHKの番組で、柄本さんは小学6年生に向けて「絶望の授業」をしたことがある。「絶望をテーマに、芝居を作らせたらどうか」とダメ元で提案したら通ってしまったのだ。

「でも、たとえばプロデューサーから『面白い芝居作りましょう』って言われたら普通すぎて、僕はその先に希望が持てないんです。『つまんない芝居作りましょう』って言われたほうが、“面白いって何?”“つまんないって何?”って考えるでしょ?そのときも、子供たちに街へ出て、『絶望って何だと思いますか?』っていろんな人に訊いて回らせたら、たばこ屋のおばあさんが笑いながら、『毎日が絶望だねぇ』って言ったんだって(笑)。その辺から子供たちは、絶望ってことについて考え始める。一人、生意気な子供が、『絶望は希望と繋がってるんだ』って言うから、『そうだな、最初に希望があって、絶望になるんだよな』と僕が言ったら、『違う違う、最初にあるのが絶望だよ!』って返してきてね(笑)。その通りだって思った」


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