鮫島:素晴らしいです。皇后さまは沖縄の音楽についていろいろお調べになって、この曲をお作りになったそうです。このあいだ沖縄の方がお聴きになって、「皇后さまがこんなにも沖縄風のメロディーを書かれるなんて、びっくりしました」とおっしゃってました。

林:鮫島さん、もう両陛下の前で歌われたんですか。

鮫島:まだです。ただ、録音したものは宮内庁にお届けしてあります。

林:おっ、すごっ! 

鮫島:両陛下の曲ですから、勝手に「私、歌います」というわけにはいきませんので、このCDブックは宮内庁の監修なんです。

林:歌い手の方にも品位が求められるわけですよね。実力とか人気もさることながら。

鮫島:どうでしょう。私はご在位20年の式典などで「君が代」を歌わせていただいておりましたが。宮内庁の方からは、両陛下がこのCDを大変に喜んでくださったと伺いました。今回の録音では、詩を朗読したり、ナレーションを入れたり、ドイツ語の詩を読んでいたりしますでしょう。この歌を多くの方に理解していただきたいという思いからですが、両陛下が「どうしてここにドイツ語が入ったんでしょう」とおっしゃるかなと心配していたんです。

林:両陛下とも深い教養をお持ちですから、ドイツ語の詩の意図もすぐおわかりになったんでしょうね。

週刊朝日  2015年12月4日号より抜粋