リオデジャネイロオリンピックでゴルフ日本代表のヘッドコーチを務めるプロゴルファーの丸山茂樹氏。女子ゴルフの現状を知るために、試合を視察したという。

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 男子ツアーの「ダンロップフェニックス」(11月19~22日、宮崎・フェニックスCC)に出場するため、宮崎に入りました。

 締め切りの関係で結果までお伝えできませんけど、いまは「絶対に予選を通る」と言って臨むには練習量が足りてないので、とにかく2日間必死で頑張って、よければ3、4日目もやる、と。フェニックスはコースも長いですしね、とにかく全力を尽くして頑張りますよ。

 先日は女子ツアーの「伊藤園レディス」(11月13~15日、千葉・グレートアイランドC)の初日に視察へ行ってきました。

 来年のリオデジャネイロオリンピックで日本代表のヘッドコーチを任されてますので。もちろん男子はだいたい分かってるんですけど、これまで女子の試合はまったく見たことがなくて。選手の名前もようやく覚えたぐらいの感じですから、ちょっとしっかり見とかないとな、と。

 どのぐらいのスキルがあるのかというところをチェックしたかったですね。あとは、どの程度のコースセッティングで戦ってるのか、と。セッティングがどんななのかな、こういう状況のとこで戦ってるんだなというのを、確認しておきたかったんで。

 僕が行った日は、雨のあとでもあったし、グリーンがかなり止まってました。またそのグリーンが大きいので、なかなかみんなアプローチでグリーンを外さなかった。だからすごく参考になったという訳じゃなかったですけど、飛距離なんかは把握できたんで、よかったと思います。

 
 オリンピックは、男女同じコースでやるんですよね。これはなかなか難しいですよ。男子向けのコースセッティングのままで女子がやるとしたら、日本の女子はだいぶ苦しくなるでしょうね。グリーンが速くて固くなると思いますんで。まあ、そもそもブラジルのゴルフ場がどこまでのものか、現状では分からないんで、なんとも言えないですけどね。

 その伊藤園レディスでイ・ボミ(27)=韓国=が今シーズン6勝目を挙げて、初の賞金女王を決めました。賞金は日本の女子ツアー史上初めて、年間2億円を突破したんですよね。試合に出ればほぼ毎回トップ10で、6勝もすれば、そりゃ2億円いきますよ。

 でも2003年に不動裕理が10勝して1億5千万に届かなかったそうですから、どれだけ1試合ごとの賞金が増えてるかですよね。この12年前と比べると、7試合増えて、賞金総額は77%増の33億3300万円だそうです。女子はバブルってますね。すごく立派だなと思います。

 僕が行った日も、男子の初日に比べて、お客さんが多かったですからね。そうそう、観客といえばラグビーのトップリーグですね。開幕戦で一般のお客さんへのチケットは売り切れなのに、ふたを開けたら思いっきり空席が目立った、と。

 運営する日本ラグビー協会は5千枚を一般販売し、これは完売。残り1万5千枚を対戦の両チームなどに割り当ててあったそうなんですけど、観戦につながらなかったと。

 まあお粗末ですよね。せっかくのラグビー人気です。運営側もレベルアップして、この波に乗っていかないとダメですね。

週刊朝日 2015年12月4日号

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丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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