「不安の裏返しではないか。力の衰えをごまかしてる部分もあると思います」
さらにこう続ける。
「先場所で敗れた嘉風との取組も同じ。協会幹部は『変化ではない。とっさにかわした』とかばってましたが、あれは“逃げ”です(笑)。まともに立ち合いたくなかったんでしょう」
ベテランの相撲記者は、
「ヤケになっているかも」
と話す。
相撲協会のルールだと、親方になるには日本国籍が必要で、外国生まれの親方は皆、日本国籍を取っている。だが、白鵬の場合、父親が五輪レスリングのメダリストでモンゴルの英雄であるため、国籍の変更が難しい。そんな事情から親方になって相撲協会に残る道を諦めざるを得ず、不満を抱えているのではないかというのだ。
今回の猫だましについて、故・北の湖理事長が「前代未聞」と断罪したのに、白鵬はまるで無視しているかのように振る舞う。あえてヒール(悪役)をやっているようにも見える。自分で自分の首を絞めているとしか思えない。
※週刊朝日 2015年12月4日号