若手の活躍がめざましい日本のゴルフ界。しかし、ベテラン勢の朗報も少なくないと丸山茂樹氏はいう。

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 日本ゴルフ界の誇りですね。青木功さん(73)です。秋の叙勲で旭日小綬章を受けられました。2008年秋の紫綬褒章に続く栄誉になります。

 青木さんの一番すごいところは、これはみなさん、あんまりご存じないと思うんですけど、日本、アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、アメリカと、すべてのツアーで勝ってるんです。

 世界を股にかけて全部優勝してるところで「世界のAOKI」と呼ばれる。「世界のナベアツ」じゃないっすよ。ちょっと古いか(笑)。それに、いまも現役というポジティブな気持ちがすごいですよね。

 青木さんがもし米PGAツアーを主戦場にしてたら、どうだったでしょうね。アメリカのシニアツアーにあたる「チャンピオンズツアー」では9勝されてます。若いときに米ツアーでやってたら、また日本ゴルフの歴史も変わったんじゃないかと想像しちゃいますね。1983年にハワイアンオープンで優勝したときに、なんで腰を据えて挑戦されなかったのか、今度聞いてみたいと思います。

 話は変わりまして、日本男子ツアーです。平和PGM選手権(11月5~8日、千葉・総武CC総武コース)は谷原秀人(37)が2年ぶりのツアー優勝を果たし、通算11勝目となりました。パッティングのクオリティーが相当に高いですね。最終日8番の1メートルほど切れるスライスラインを読み切ったバーディーは圧巻でした。

 昨シーズンまで3年連続で平均パット数が最少って、これはなかなかできることじゃない。パッティングに関しては、自分の中で確固たるものを持ってるんだろうなと感じさせました。彼のお父さんが胃がんと闘っているそうで、2年ぶりのこの勝利は何よりの朗報になったでしょうね。

 
 谷原は05年に米ツアーのシード権を手にして本格参戦しましたけど、予選落ちが重なって、シーズン終了を待たずに帰国。思うところがあったんでしょう。トレーニングをしっかりして、練習量も人一倍。ゴルフの努力は惜しみなくやってますよね。それが結果に結びついてる。もちろん素質もあると思うんですけど、素質ってのは磨かなきゃ光らない。自分の磨き方もよく知ってるのかな、と思いますね。

 最後はお知らせです。スバルさんの特別協力を得まして、12月23日に東京で「丸山茂樹ジュニアファンデーションXmas Golf for Kids Supported by SUBARU」というイベントを開催することになりました。

 僕と内藤雄士ツアープロコーチが、小学生のみなさんと一緒に簡易版ゴルフのスナッグゴルフや、その他いろんなアトラクションで楽しい時間を過ごそう、という企画です。

 ただいま絶賛申し込み受け付け中でして、小学校1~6年生のゴルフ初心者・初級者が対象です。申し込みはオフィシャルホームページ(https://www.maru-junior.com/outline/tour_15christmas.html)から。締め切りは11月25日。参加無料です。

 まったくゴルフを知らないというお子さんでも楽しめる内容になってますので、ぜひご参加ください。

週刊朝日  2015年11月27日号

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丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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