藤巻健史「黒田日銀総裁はボケてないか」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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藤巻健史「黒田日銀総裁はボケてないか」

連載「虎穴に入らずんばフジマキに聞け」

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週刊朝日#藤巻健史
間違えた内容の発言をした日銀の黒田総裁 (c)朝日新聞社

間違えた内容の発言をした日銀の黒田総裁 (c)朝日新聞社

 一方、日銀は3割と言っても、巨額に発行されている国債の3割だ。額は巨大である。14年末時点ですでに対GDP比で60%。さらに爆買いを継続している。

 そもそも財政事情がさほど悪くない国(英国や米国)の中央銀行と財政事情が劣悪な国(日本)の中央銀行の国債購入を比較するのはおこがましい。両者では国債購入の意味合いも副作用も大きく異なるのだ。

 英国や米国は新たな資産購入をやめたい時にやめられる。新規の発行が少ないから、中央銀行が買わなくなるからといって国債市場が暴落することはない。実際、英国や米国は、大きな問題なく新規の資産購入を停止した。一方、日本の場合は、やめれば国債市場は大暴落だ。垂れ流し的に発行されていた国債の購入者がいなくなるからだ。金はばら撒き続けられ、ハイパーインフレまっしぐらだ。

 英国や米国の量的緩和は「金融政策」の一環と考えられるが、日本は、実質的に、財政ファイナンス(国の借金を中央銀行が紙幣を発行して賄うこと)だ。財政ファイナンスは、日本でもハイパーインフレ防止の意味から財政法第5条で禁止されている。

 日銀は10月30日の金融政策決定会合において、「経済・物価情勢の展望(15年10月)」を発表した。その中で「もっとも、政府債務残高が累増する中で、金融機関の国債保有残高は、全体として減少傾向が続いているが、なお高水準である点には留意する必要がある」と述べている。おいおい、留意すべきは日銀自身じゃないの?

週刊朝日 2015年11月27日号


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藤巻健史

藤巻健史(ふじまき・たけし)/1950年、東京都生まれ。モルガン銀行東京支店長などを務めた。主な著書に「吹けば飛ぶよな日本経済」(朝日新聞出版)、新著「日銀破綻」(幻冬舎)も発売中

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