田原総一朗「安倍政権をつけ上がらせるNHKの対応にも責任がある」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「安倍政権をつけ上がらせるNHKの対応にも責任がある」

連載「ギロン堂」

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「放送に政治権力が介入するのは憲法違反で、やってはならないことだ」

「放送に政治権力が介入するのは憲法違反で、やってはならないことだ」

 また経済産業省は2030年度のエネルギーの構成のうち原発を20~22%とした。だが、たとえ現在日本にある原発をすべて再稼働させたとしても、30年度には15%を切ることになる。それに、すべての原発を再稼働させるのは無理なので、20~22%になどなるはずがない。

 そんなことは、政府の電源構成案が発表されたときから明白なのだが、当時のマスメディアは、そのことを報じなかった。

 私から言わせれば、マスメディアが、誤った「政治的に公平」に縛られていたのである。そのために事実を報じなかったのだ。

 私は、放送に政治権力が介入するのは憲法違反で、やってはならないことだととらえているが、中には憲法に無知な担当相もあらわれる。自民党議員たちの勉強会で、「マスコミを懲らしめる方法」が公然と語られるなど、自分たちの立場がわかっていない連中の仕業である。 

 こんなとき放送局側は、ただちにそのことを放送して抗議すべきなのだ。公然と抗議すれば国民の大多数は担当相や議員たちの間違いにあきれて、当人たちは強く後悔することになるはずだ。だが、多くの放送局は、政府筋や自民党筋から憲法に違反する介入があったとき、それを明らかにするどころか、包み隠してしまうことが多い。そしてあろうことか、その憲法違反の介入に従ってしまうのである。こんなことをやっていると、権力の側は、それで良いのだということになり、どんどんつけ上がってくる。今回のNHKの事件は、言ってみれば権力の側をつけ上がらせた結果だと言えるだろう。

 放送局の側は、自分たちの放送にもっと自信と責任を持つべきである。権力の介入を許すというのは、放送局側が無責任だとも言える。

週刊朝日 2015年11月27日号


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田原総一朗

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

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