前NHK経営委員長代行・上村達男早大教授が激白「政権はまず、籾井会長の“放送法違反”を問うべき」

週刊朝日#安倍政権
「BPO(放送倫理・番組向上機構)の指摘はもっともだと思います。確かにNHKの独自調査には、腰が定まっていないところがあった。世間からは、経営側は政権に批判的なNHKの『クローズアップ現代』(以下、クロ現)をやめさせたいのではないかと見られているため、厳しく調べれば調べるほど、疑念の目で見られてしまう状態でした。視聴者から『公正さ』に疑問を持たれている籾井体制自体が、NHKが抱える最大の問題です。高市早苗総務相はクロ現のやらせ問題でNHKを行政指導しましたが、まずは放送法の原則に違反する行為を次々と行う籾井会長をこそ行政指導すべきでした」

 今年2月末までNHK経営委員長代行を務めた早稲田大学法学部の上村達男教授(会社法・資本市場法)が籾井NHKの病巣をこう明かした。

 BPOは11月6日、昨年5月放送のクロ現の「出家詐欺」報道に“やらせ疑惑”が指摘された問題についての意見書を発表。番組について<重大な放送倫理違反があった>と断言した。過剰演出はあったが「やらせ」はなかったという今年4月のNHK内部の調査委員会による報告書については、そもそもNHKのガイドラインによる「やらせ」の概念と視聴者の一般的な感覚に距離があると指摘。その上で、<放送倫理の観点からの検証が不十分であるとの印象をぬぐえなかった>と批判した。

 だが、上村氏は問題の本質はクロ現やらせ疑惑ではなく、籾井体制の体質そのものだと主張する。

 問題は昨年1月の籾井会長の就任時にさかのぼる。籾井会長は就任会見で「政府が右と言っているものを、我々が左と言うわけにはいかない」と発言。成立したばかりの特定秘密保護法については「まあ一応、通っちゃったんでですね、もう言ってもしょうがない」などと述べた。こうした発言が報道され“炎上”すると、籾井会長は「記者会見の場で個人的見解を発言したことは不適切でした」と釈明したが、見過ごせない重大な問題だという。

「一連の発言は記者会見の場で言ったことが問題なのではなく、中身そのものが放送法が定めるNHKの政治的中立に反している。私が14年3月の経営委員会でそのように指摘すると、籾井氏は次の経営委に反論の文章を書いたペーパーを持参してきました。ところがそれを読み上げる際、『オフレコにしてくれ』と言う。私が絶対に認められないと強く主張すると、読むのをやめてしまいました。公表するとマスコミの餌食になると言っていましたので、すごい非難が書いてあったのだと思います」

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