13日の会見で頭を下げた旭化成建材の役員ら (c)朝日新聞社
13日の会見で頭を下げた旭化成建材の役員ら (c)朝日新聞社

 横浜市の傾斜したマンション問題を巡り、建設元請けの三井住友建設と杭工事を請け負った旭化成建材の間で、責任の押し付け合いが泥沼化している。

 三井住友建設は11月11日の決算発表の際、初めて公の場で謝罪したものの、永本芳生副社長は「管理を日々行う過程で落ち度はなく、裏切られた」と発言。旭化成建材に責任を“丸投げ”するような姿勢を見せた。

 その2日後、旭化成建材の親会社である旭化成の平居正仁副社長は、記者会見で「三井住友建設が『信頼を裏切られた』というのは下請けに責任を押しつける発言ではないか」と問われ、大きくうなずいた。

 不動産に詳しいアイビー総研の関大介氏が言う。

「元請けへの責任追及が甘すぎる。旭化成建材が杭打ちのデータを保管していなかった点はよくないが、元請けがそれを確認していなかった事実は重い。こんなことが恒常化しているのが根本的な問題だ」

 横浜市のマンションでは、三井住友建設の簡易調査で「固い地盤に杭が届いていない」とされ、それが傾斜の原因とされている。だが、旭化成側は「簡易調査では杭が本当に届いていないかどうか不明」とし、三井住友建設に本格的な調査をさせてほしいと申し出ている。これに対し、三井住友建設は11日の会見で「やりたければ自分たちでやればいい」と切り捨てた。

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