穏やかな笑顔を見せた皇太子ご夫妻 (c)朝日新聞社
穏やかな笑顔を見せた皇太子ご夫妻 (c)朝日新聞社

 皇太子妃雅子さまが11月12日に赤坂御苑で開かれた秋の園遊会に出席した。実に12年ぶり。最近はお出ましが続いて「慣れっこ」になっていた宮内記者会のメンバーも、発表時に驚きの声をあげたほどだった。

 雅子さまの前回の出席は2003年10月の秋の園遊会。当時の写真を見ると、着物姿で招待客と懇談する表情はこわばっているように見える。実際、このころの体調はかなり悪く、2カ月後の同12月に帯状疱疹で入院。長期療養に入った。

 出席の兆候はあった。13年春のオランダ国王即位式への出席が大きな自信となった。一時は学習院女子中等科を休みがちだった長女・愛子さまも、今では友達も多く、学校生活を楽しんでいる。愛子さまの元気な姿に、雅子さまの体調も上向いていくのを側近らは感じたという。雅子さまに近い関係者は、秋篠宮家の次女佳子さまに注目が集まる「佳子さまフィーバー」で、周囲からのプレッシャーが薄れ、「落ち着いた環境でご自身の体調を見つめることができたのでは」とみる。

 今年は7月のトンガ訪問が弾みとなり、10月には福島県、鹿児島県と2度地方を訪れた。同じ月に2度の地方公務にあたるのは、療養生活に入ってから初めて。宮内庁の風岡典之長官は12日の会見で「活動の幅が広がり、大変よかった」と太鼓判を押した。トンガ帰国後には、聖路加国際病院を「お忍び」で訪れ、小児科病棟に入院中の重病の子どもたちに声をかけて励ました。

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