「40代になった今は、30代で大変なことに挑戦してよかったなと思います。僕は、10代のときに、役者と音楽っていう好きなことしかやらないと決めた。自分で決めたことだから、それに伴う困難は、すべて引き受けるのは当然じゃないですか。人間にとっての豊かさって何かと考えると、それは仕事ができる喜びであり、周りに家族や友達がいてくれる喜びだと思います。だから、仕事がある毎日に感謝して、現場で起こることをとことんまで楽しみたいです」

「もし、仕事のオファーが来なくなったらどうしますか?」と少し意地悪な質問をぶつけてみると、「僕の仕事はなくなりようがないんです。そのときは自分で映画を撮ればいいんだから。毎日何か作ることは、変わらないと思います」と答えた。どこまでも爽やかな笑顔で。

週刊朝日  2015年11月13日号