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 フード&ワインジャーナリストの鹿取(かとり)みゆきさんが、日本ワインを紹介する。今回は、新潟県「カーブドッチ ワイナリー」のアルバリーニョ 2014(白)。

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 ワイン産地とは何か。ワイナリーやブドウ園が集まっていることに加えて、その土地の気候や土壌に適したブドウがあって初めて、産地と呼べるのだ。

 新潟県中央部の、海岸にほど近い角田浜地域一帯には、カーブドッチなど5軒のワイナリーが集まりワイン村を形成している。

「僕は、角田浜と隣の越前浜一帯をワイン産地に発展させたい。注目したのが、ポルトガル国境に近いスペインのガリシア地方が原産のアルバリーニョというブドウです」と語るのは、栽培醸造責任者の掛川史人さん。アルバリーニョは果皮が厚く病気になりにくい。痩せて、水はけの良い砂地では、特にその傾向が強い。掛川さんはこの地で、農家も育てやすいこの品種の栽培面積をこれから増やしていきたいと考えている。

 さらに、彼を惹きつけたのは、ワインから感じられるジャスミンや洋梨の豊かな香りだった。彼の地では、ときに海のような香りがするとも言われている。新潟の魚介類とも相性が良さそうだ。

(監修・文/鹿取みゆき)

週刊朝日  2015年11月13日号