「定時になると、胴元から『ハンディはいくつ』などとメッセージが届く。プロ野球だけでなく、海の向こうの大リーグの試合でも、(両チームの実力を考慮した)絶妙の数字が示される。『早く賭けないと』『いいハンディだ』などと賭けを煽るようなメッセージも頻繁に届いていた」

 ダルビッシュ有投手が長男で、翔容疑者は次男。翔容疑者も恵まれた体格で、少年時代はサッカー、最近はプロの格闘技にも参戦。建設関連会社や飲食店を手がけてきたという。翔容疑者の友人はこう話す。

「建設関連会社は繁盛していたが、若い運転手に500万円はする国産高級車を運転させ、羽振りがよすぎると思った。賭け金の集金に運転手を使っていたらしいです。今回、ああやっぱりと思いました」

 球界に暗い影を落とす野球賭博問題。翔容疑者は「賭けはしたが、胴元ではない」と、容疑の一部を否認しているというが、捜査関係者はこう話す。

「兄が所属するレンジャーズの試合でも胴元をしていた点を注視している」

 右ひじ靱帯(じんたい)の修復手術を受け、戦線を離れている有投手は、弟の逮捕に何を思うのか……。

(本誌・藤村かおり、牧野めぐみ、松岡かすみ、西岡千史/今西憲之、黒田朔、桐島瞬)

週刊朝日 2015年11月13日号