介護職残酷物語 人材不足で過酷労働、薄給、イジメ、パワハラ (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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介護職残酷物語 人材不足で過酷労働、薄給、イジメ、パワハラ

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スタッフ間でもイジメ、パワハラが横行するという負のスパイラルに…

スタッフ間でもイジメ、パワハラが横行するという負のスパイラルに…

 年間約28万人が離職するとされる介護現場が荒んでいる。慢性的な人手不足で労働は過酷なのに薄給。来るもの拒まずで、モラルが低下し、虐待事件が急増。スタッフ間でもイジメ、パワハラが横行するという負のスパイラルに陥っているのだ。

 川崎亜希子さん(仮名・41歳)は高校中退後、10代で妊娠し、現在はシングルマザーとして一人娘を養っている。

“元ヤンママ”だけあって、かなりパワフルな女性だ。介護職に就いて13年になる彼女も、陰湿なイビリを経験した。

「他に選択肢もなく、手っ取り早くやれたので、この仕事に就きました。利用者さんの情報が細かく書かれたアセスメントシートを隠されたり、男性社員と肉体関係があると囁かれたり、右も左もわからないから質問するのに『今、忙しい!』ってつっけんどんにされて、途方にくれたりと、いろいろありましたね」

 川崎さんがいちばん参ったのは、入社3カ月目に「翌月のスケジュール表を組め」と言われたことだ。

 利用者480人を1カ月間お預かりする一覧表――。

「Aさんは市から何日間の利用が認められていて、○日と×日と△日を希望されている。どんな介護が必要で、何が食べられないとか、全てを把握したうえで、延べ480人分のスケジュールを作成しなければならない。何も教わっていなくて知識がないから組めるはずないんですよ。そうやって、新人が困るように困るようにもっていくんです。結局、事務系社員に聞いてできるようにしました」

 同僚たちが入っては辞めていくなか、川崎さんは娘を育てるために、と歯を食いしばった。

「他の業種に変わりたいって気持ちもあります。でも、資格もないし、年齢的なハンディもあるので、介護しかない。とにかく耐えました。正直、他の仕事に就けない人が堕ちてくる業界だと感じざるを得ません。パワハラが多いのは、人生をちゃんと生きていないからでしょう。歪んでいる人が多く、屈折を吐き出す場所を探しているんじゃないかと思いますね」

 12年度の介護福祉士養成大学連絡協議会・公開シンポジウム資料では、09年9月時点で、大学で介護福祉士の資格を取得した数は、全体のわずか1.28%と報告された。


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