愛知県小牧市は、TSUTAYA図書館の是非を問う住民投票で「NO」を突きつけられた。山下史守朗市長は「計画を丁寧に検証する」と強気の姿勢を見せていたが、20日になって突然、計画を白紙撤回。CCCとの契約解消を決めた。
撤回を決めた理由について、ある市議はこう話す。
「投票前日の市長の失態と関係があるのではないか」
同市では、住民投票と同じ日に市議選の投開票があった。山下市長は、あろうことか、その前日に候補者7人に「当選祝い」の文書を配布していたのだ。翌日が多忙だったため、開票結果を待たず、当選確実とみられる7人に配ったという。19日の臨時市議会で追及され、陳謝している。
前出の市議はこう見る。
「市長は『図書館』と『当選祝い』という二つの火種を抱え、さすがに窮地に陥ったものだから、急場をしのぐために『図書館』の火消しをしたのではないか」
お騒がせのTSUTAYA図書館。火種となった佐賀県武雄市では、住民訴訟が続き、蔵書入れ替え費の流用をめぐって新たに監査請求が出された。次に飛び火した神奈川県海老名市でも監査請求が出された。
各地の炎はいつ消えるのか。
※週刊朝日 2015年11月6日号