TSUTAYA図書館新説に向け、解体が進む駅ビル(山口県周南市) (c)朝日新聞社 @@写禁
TSUTAYA図書館新説に向け、解体が進む駅ビル(山口県周南市) (c)朝日新聞社 @@写禁

 行政がカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に運営を委託した“TSUTAYA図書館”の問題が各地に飛び火している。

 山口県周南市はCCCと連携し、駅ビルでの図書館建設計画を立案。約25億円をかけ、2018年度のオープンを目指している。

 だが、これに反対する市民団体が10月20日に発足した。計画の是非を問う住民投票をしようと、11月から署名活動をするという。

 代表の沖田秀仁さん(67)はこう話す。

「図書館は地域の歴史学習など教育に重点を置いた施設。各地で問題を抱えるTSUTAYA図書館に25億もの公金を使うのは許せない。計画を撤回させたい」

 周南市にはすでに市立図書館が5館ある。その一つ、市立中央図書館は、TSUTAYA図書館の建設が予定される駅ビルから、わずか800メートルしか離れていない。建設後、中央図書館はどうなるのか。

「駅ビルの図書館オープン後も、中央図書館は従来どおり市直営で運営する予定です」(市の担当課)

 市の狙いは図書館施設の充実でなく、TSUTAYA図書館新設による「にぎわい創出」にあるという。

 沖田さんはこう話す。

「既存の図書館の図書費を増額するべきで、行政の無駄な投資になるのではと懸念している」

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