東尾修 日本シリーズで“ヤクルトが勝つために必要なこと” (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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東尾修 日本シリーズで“ヤクルトが勝つために必要なこと”

連載「ときどきビーンボール」

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週刊朝日#東尾修
ともに「トリプルスリー」のソフトバンク柳田(左)とヤクルト山田がぶつかる (c)朝日新聞社 

ともに「トリプルスリー」のソフトバンク柳田(左)とヤクルト山田がぶつかる (c)朝日新聞社 

 4番内川には、抑えるセオリーが見当たらない。どの球種、コースに対しても自分の打撃をしてくるし、柔らかさもある。5番の李大浩も、逆方向に大きな当たりを打てる。両者には、ある程度打たれることを想定に入れる必要がある。

 ただ、柳田、松田は足を上げてフルスイングをしてくる。ボールと距離を取りにくく、自分本来のスイングをしにくい内角高めを徹底的に突くことだ。

 打者全員をマークすることはバッテリーに極度の負担を強いる。柳田、松田については「ワンポイントで救援陣を挟んでもいいから、抑え込む」といったメリハリが必要になる。」

 まず、内川と李の前にいる柳田を抑える。内川、李には単打を打たれてもOK。ピンチを迎えても松田を抑える。その繰り返しで失点を防いでもらいたい。

 投手陣が粘っているうちに、打撃陣が先制点を奪いたい。ソフトバンクの投手陣は先発も救援もパワーピッチャーが多い。150キロを超す速球で押してくる。力負けをせず、リードする展開に持ち込み、心にゆとりを持つといい。目に見えない重圧はある。CSで敗れたロッテの打者も、追い込まれてから力んでいた。

 ヤクルトは2番の川端がある程度計算できる。好機で山田、畠山に一本が出るか。その次のカギがバレンティン。シーズン終盤からCSにかけての打席では、外角球にバットが届いていなかった。本来の打撃がどれだけ戻っているかだ。

 2年前の日本シリーズ、楽天─巨人を思い出してほしい。楽天は、第1戦でシーズン24勝0敗の田中でなく、則本を先発させ、第5戦以降は救援に回した。そんな柔軟な投手起用も、真中監督には求められるだろう。野球賭博など暗いニュースも出ているが、「野球はやっぱり素晴らしい」とファンに思ってもらえるような熱戦を期待したい。

週刊朝日 2015年11月6日号


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東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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