岡田氏は野党再編で主導権を握れるのか (c)朝日新聞社 @@写禁
岡田氏は野党再編で主導権を握れるのか (c)朝日新聞社 @@写禁

 東京・永田町の憲政記念館で10月、2人の男が短い会話を交わした。一人は、かつて「小沢一郎の知恵袋」と呼ばれた平野貞夫元参院議員、もう一人は共産党副委員長の小池晃参院議員だ。

 この日は、来年夏の参院選に向け、反安保や脱原発などのリベラルな政策に共鳴する政治家の結集を訴える集会に出席していた。自他ともに認める保守本流の政治家の平野氏は、集会後に小池氏にこう水を向けた。

「最近ね、赤旗の日曜版から取材を受けたんだよ」

 小池氏は、顔に笑みを浮かべながら言葉を返した。

「これからもご協力をお願いします」

「しんぶん赤旗」は共産党の機関紙でありながら、最近は保守系の自治体首長や地方議員が登場し、安倍政権批判をしている。過去には、加藤紘一氏や古賀誠氏など、自民党の重鎮が登場したこともある。また、共産党の志位和夫委員長が、安保法の廃止を目指す野党による「国民連合政府」構想を発表した後、それを高く評価した小沢一郎氏の談話を、10月3日付の政治面で詳しく紹介している。平野氏は、その目的をこう解説する。

「保守政治家の意見を掲載するのは、共産党の党員の中には、いまでも国民連合政府構想に反発する人がいるから。その人たちに、保守系ながらも安倍政権を批判する人の意見も聞かせたいのでしょう」

 反安保をはじめ、脱原発や反TPPなどの急進的でリベラルな政策を訴える共産党の志位委員長は、一気に野党再編のキーパーソンになった。

 一方、野党第1党の岡田克也民主党代表はどうなのか。ある民主党議員は嘆く。

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