厚労省は中安容疑者が、週3日ほどしか役所には来ず、出張を繰り返していたことを認めている。

「『明日は講演で、終わってから業界団体と会合、あさっては大学で講義、猛烈に忙しい』と言っていたのは、逮捕の2週間ほど前。その時『いいスポンサーもいる。そろそろ役人から転身しようか。政治家にもツテがあるから』と話していた」(同僚)

 そんな中安容疑者を裏で支えていたのが、複数のIT関連業者だ。

「今回の逮捕容疑は一つのIT業者で100万円の収賄。別の業者からもカネをもらって便宜を図っていたようだ。中安容疑者は業者に『先生』と呼ばれ、カネは自ら要求し、飲食代、タクシー代なども払わせていた。今後、そちらにも捜査を広げていく」(捜査関係者)

 中安容疑者がN社に便宜を図り受注させていたとみられる契約は七つ、総額約15億円。闇はなお深い?

週刊朝日  2015年10月30日号