レーズンでワイン? アンズの香り漂う「麦わらワイン」

週刊朝日
 フード&ワインジャーナリストの鹿取(かとり)みゆきさんが、日本ワインを紹介する。今回は、長野県の「ヴァン ド ソレイユ サンセミヨン 2009[極甘口375ml]」。

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「麦わらワイン」と呼ばれるワインがある。敷き詰めた麦わらの上にブドウを並べ、できた干しブドウで造られる。

 フランスやドイツなどでは19世紀に造られていたという記録が残る。干すことで糖度を高め、極甘口に仕込んだこのワインは、瓶詰め後の長期熟成にも堪える。

 長野県、信州の美ケ原高原。その麓、松本市東部にある山辺地区は、明治初期から続くブドウの産地だ。ここで、山辺ワイナリーの醸造担当者、遠藤雅之さんは日本で唯一の「麦わらワイン」を造る。使われるサンセミヨン種は、ワインにすると色合いが変化しやすく、知名度が低いこともあり、販売に苦労していた。そうしたなかで遠藤さんは、ブドウの房の形に注目した。

「ブドウの粒がまばらで密着しておらず風通しが良いので、干しても傷みにくい。同時に糖度も高くなる」

 レーズン状になったブドウで仕込んだワインは、とろりとして、アンズや紅茶のような香りを放つ甘露だ。

(監修・文/鹿取みゆき)

週刊朝日 2015年10月23日号

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