CSは捨てたのか ロッテ涌井の最多勝采配に東尾修が疑問 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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CSは捨てたのか ロッテ涌井の最多勝采配に東尾修が疑問

連載「ときどきビーンボール」

週刊朝日#東尾修
采配に疑問?(※イメージ)

采配に疑問?(※イメージ)

 他の選手がどんな思いで見ているかも心配だ。涌井に最多勝を取らせることでチームが一丸となるなら、百歩譲って、それでもいいだろう。だが、全員がそんな意識になれるとは思えない。涌井がCSで精彩を欠いたら、「なぜあそこで投げさせたのか」という議論にもなりかねない。

 リーグ3位は涌井だけではなく、チームで勝ち得たものだ。投手出身の私の立場からすれば、絶対にありえない登板だった。

 巨人を見てほしい。エース菅野は、今月4日のヤクルト戦に中6日で投げてもよかった。しかも、5回3分の2を自責点0に抑えれば、防御率トップの可能性もあった。それでも登板はなかった。原監督は「個人より巨人」、菅野も「タイトルは個人のもの。次のCSに万全でいくことのほうが大事だ」と言った。

 結局、その試合では、今季精彩を欠いていた内海を先発で試し、救援陣も小刻みにつないで調整の場にあてた。対照的だよな。

 私の現役時代、西武は黄金期だった。誰もがタイトルへのこだわりよりもリーグ優勝、日本一を目指していたよ。シーズンの最後まで優勝がもつれた場合でも、少しでも消化試合があれば、首脳陣は日本シリーズへ向け、試したい選手を起用し、投手の調整の場にあてた。

 ロッテは141試合目にしてやっとCS進出を決め、わずか2試合となった消化試合の一つを涌井にプレゼントしてしまった。ファーストステージでどちらが勝ったとしても、「涌井の137球」には、伊東監督なりの深い理由があったと考えないと、采配への疑問は消えないし、まして美談にもならない。

週刊朝日 2015年10月23日号


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東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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