研究所再建、特許収入250億円 ノーベル賞・大村教授の経営手腕 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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研究所再建、特許収入250億円 ノーベル賞・大村教授の経営手腕

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大村さんがつくったそば店「上小路」 (c)朝日新聞社 

大村さんがつくったそば店「上小路」 (c)朝日新聞社 

 寄生虫による病気の治療薬の開発に貢献したことが評価され、ノーベル賞・医学生理学賞を受賞した大村智・北里大特別栄誉教授(80)の口癖は「研究は経営だ。経営を研究する人は多いが、研究を経営する人はいない」──。いや、いる。大村さん自身がそうなのだ。

 1984年に北里研究所(本部・東京都港区)の副所長に就き、財政再建に努め、特許収入で病院も新設した。90年に所長になると、借入金ゼロで運営する仕組みを導入。さらに、研究所のマネジメント体制を一新し、ワクチン製造、病院、研究、東洋医学の全4部門にそれぞれ独立採算制を導入した。四半期ごとに4部門の役職員を一堂に集めた会議を開き、情報共有と効率化を進めた。

 そういう経営手腕を培ってきたのが、企業との共同研究だった。70年代には、研究成果を企業に渡し、実用化されたら特許使用料が北里研究所に入ってくる仕組みを確立した。

 これまでに研究所にもたらされた特許収入は総額250億円にのぼる。研究所のベテラン職員は言う。

「経営の才能があるというより努力をしてきた人。北里柴三郎の孫で東京海上火災保険(当時)の社長だった故渡辺文夫さんや、日本興業銀行(同)の副総裁を務めた故二宮善基さんらに経営を学んできたんです」

 今もフルタイムで仕事に臨む。研究所には、大村さんが指揮する総勢約70人の研究グループがある。

「研究費がなくなったらグループは解散だ」

 と発破をかけている。メンバーの砂塚敏明教授は、

「大村先生は一言で言えば、教育者。本当にやりたいのは、若い人の育成でしょう。学生にはやさしく、その分、教員に厳しい」

 と苦笑し、こう続けた。


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