ヤクルトがリーグ優勝! 東尾修「予想できなかった」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ヤクルトがリーグ優勝! 東尾修「予想できなかった」

連載「ときどきビーンボール」

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週刊朝日#東尾修
リーグ優勝を決め、胴上げされるヤクルトの真中監督(10月2日) (c)朝日新聞社 

リーグ優勝を決め、胴上げされるヤクルトの真中監督(10月2日) (c)朝日新聞社 

 最下位から優勝へ。負け慣れてしまった軍団の意識改革は素晴らしかった。真中監督は、強烈な指導力を発揮して選手の負け犬根性を払拭したというより、選手個々に考えさせ、自己改革を促した。チームの規律はもちろんあるだろうが、選手の個性を見極めた上で、戦うべき道を模索した。

 選手の潜在能力を引き出すため、指導に従わせるのでなく、選手自身に気づかせる方法をとった。2番の川端には、併殺を恐れず、進塁打も要求しなかった。考える自由を与えた戦いが、ヤクルトの選手気質に合っていたのだろう。

 一方、リーグ4連覇を逃した巨人は、主力選手が目を見張る成績が残せないまま、原監督の采配とベンチワークでかろうじて戦ってきた。勝つことを義務づけられた球団だから、阿部、村田ら主力選手の個の力が足りなくても、勝つ術を見いだすしかない。

 だが、個が弱いと、選手に判断を託す場面が絶対的に減る。そうなれば、選手はベンチの思惑に応えようと「最低限」を考える。例えば、無死一塁だったら、「走者を進める進塁打を打とう」という発想になる。

 ヤクルトが失敗を恐れず「チームの最大化」を目指したとすれば、巨人は勝つためにミスを減らす「最小限の野球」をして窮屈になっていたような気がする。

 巨人はいま一度、軸となる選手を見いだし、個の強さを取り戻すべきだ。隙を作らない野球は、守備や走塁においては欠かせない。だが、攻撃面では、強烈な個の力の上に繊細な作戦が成り立つ。個を磨かないことには、常勝軍団の再建はままならない。試合でプレーするのは選手。まず選手を強くしないといけない。

週刊朝日  2015年10月16日号


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東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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