「長めの株価チャートを見て、業績は良いが全体相場に引きずられて安値になっている銘柄がおすすめ。ただ、中長期の上昇トレンドが継続していることが条件」(小川氏)

 小川氏が挙げた銘柄はすべて、今期に過去最高益を見込んでいる会社ばかりである。日本新薬や科研製薬といった製薬会社が2社入っているが、ニッチな分野に特化し、そこで強みを発揮しているのが理由だ。

 洗剤や歯磨き粉のライオン、化粧品のコーセーやポーラ・オルビスHDなど、日本の消費財は中国をはじめとしてアジアで人気が高く、そのトレンドは今後も続くとしている。

 藤本氏の挙げた銘柄は業種的に幅広く、ユニークなものが目を引く。例えば、婚活サービスのIBJ。月間1万組のお見合いをセッティングして3%の成婚率だという。月に300組のカップル誕生だ。政府の少子化対策も追い風になる。

 電機設備などのナラサキ産業、流通などのテーオー小笠原は北海道が地盤の会社で、来年3月に新幹線が開業すれば大きく化ける可能性があるという。今年、北陸新幹線の開業後、北陸を地盤とする無名の会社の株価が大きく伸びた例があるからだ。

 メディア事業を展開するイードはスマホのコンテンツとしても有望なパズル雑誌を買収。雪質が良いと外国人に人気のスキー場を運営する日本スキー場開発は冬季オリンピック関連として有望だ。18年には韓国・平昌、22年には北京での開催が決まっており、多くの外国人スキー客が日本を訪れるだろう。

「ニッチな業界でトップシェア、きらりと光る技術やサービスをテーマに選んだ。これ以上極端な円安は考えにくいので、内需株も良い。成長性の高い企業に投資してじっくり仕込む時期だと思う」(藤本氏)

“我慢相場”が続く日本株。期待される大幅上昇に向けて、今がチャンスなのかもしれない。

週刊朝日 2015年10月9日号より抜粋